相続放棄できない場合

 

相続放棄は、いつでも自由にできるわけではありません。

相続放棄が出来ない・認められないケースとして以下のものが挙げられます。

 

1.生前の相続放棄

相続放棄は、相続発生後でなければすることはできません。

例えば、親に多額の借金がある場合であっても、まだ親が生存されている間は相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所への相続放棄の申述ができないのとしても、被相続人の生前に、「将来相続放棄する」をことを誓約する旨の念書や合意がある場合、この念書や合意は有効となるでしょうか。

このような相続発生前の念書や合意などは法的な拘束力は持たないことになります。

 

 

2.相続財産を処分したとき

債権の取立てや、遺産分割協議、相続不動産や預貯金の名義変更など相続財産の処分行為をした場合や相続財産を隠匿した場合は、単純承認したものとみなされます(法定単純承認)。単純承認は撤回することができないため、相続放棄をすることはできなくなります。

単なる保存行為(財産の価値を現状のまま維持する行為)であれば、単純承認したものとはみなされません。

処分行為にあたらないとされた例としては、相続財産から葬儀費用を支出したり墓石・仏壇を購入する行為があります(大阪高裁平成14年7月3日決定)。

被相続人に借金がある場合は、被相続人の財産を処分しないようにご注意ください。

 

3.法定期間の経過後

相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内にしなければなりません(民法915条第1項)。

なお、相続財産が複雑で、調査に時間がかかるため、3か月以内に放棄するかどうかを判断するのが難しそうな場合は、期間の伸長を申立てることもできます。

 

民法第921条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

民法第915条
1.相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2.相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。


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