「長期間相続登記がされていません」通知が届いた方へ｜姫路・太子町の司法書士が解説
ogawajimusho長期間相続登記がされていません｜通知が届いた方へ
■ 1. まず知りたい：この“通知”は何を意味しているのか？
「長期間相続登記がされていません」という通知が法務局から届くと、
多くの方が驚き、不安を感じます。
しかし、この通知は 「登記を放置しているので、手続きが必要です」
ということを知らせる案内であり、
いきなり罰せられるものではありません。
背景には、令和6年4月1日に始まった 相続登記の義務化 があります。
相続によって不動産を取得した場合、
取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければならない
という新しいルールが全国で適用されています。
また、所有者のわからない土地が増え、公共事業が進まないという社会問題から、
法務局が「長期相続登記未了土地」の調査を進めている最中です。
姫路市や揖保郡太子町、たつの市でも、
令和7年以降この通知を受け取る方が増えています。
■ 2. なぜあなたに通知が届いたのか？対象となるケース
通知が届いた理由は、
あなたが“代表相続人”として選ばれた可能性が高いからです。
法務局は以下の順番で通知先を決めています。
-
固定資産税の名義人または納税義務者
-
土地の住所に住んでいる人
-
同じ都道府県に住む相続人
-
その他の相続人
そのため、通知が届いたからといって
「自分だけが責任を負うのでは？」
という心配は不要です。
むしろ、「まずあなたが知らせを受けただけ」という位置づけであり、
他の相続人にもこれから状況説明が必要になります。
■ 3. 長期間相続登記未了土地とは？わかりやすく解説
これは、
相続が発生したにもかかわらず、不動産の名義変更（相続登記）がされていない土地
のことです。
特に以下のケースで起きやすい現象です。
-
親名義のまま放置されていた山林や農地
-
実家を誰も使わず、名義変更の必要性を感じていなかった
-
相続人が多く、話し合いが進まなかった
-
相続関係が複雑になり、手続きが止まった
また、相続を放置すると「数次相続」が発生します。
✔ 数次相続とは？
たとえば
「父が亡くなり、その後に母も亡くなった」
というように相続が重なると、
相続人が一気に増えてしまい、話し合いがまとまらなくなります。
この状態が全国的な問題となり、
今回の調査・通知が行われています。
■ 4. 相続登記を放置するとどうなる？4つのリスク
① 相続人が増えすぎて話し合いができなくなる
放置期間が長いほど相続人が増え、
遠方の親戚とも連絡が必要になります。
1年遅れると難易度が倍増することもあります。
② 公共事業の支障となり、法務局の調査対象になる
道路整備、橋の架け替えなど公共事業が進まないことから、
法務局は未登記土地の調査を全国的に進めています。
通知はその一環です。
③ 売却・担保設定など財産の処分ができない
不動産の名義が亡くなった方のままでは、
売却・賃貸・担保設定が一切できません。
不動産の価値が高いほど、早めの手続きが重要です。
④ 義務化後は3年以内の申請義務＋過料の可能性
令和6年以降、手続きを怠ると
10万円以下の過料 の可能性があります。
通知を受け取った方は特に早めの対応が安全です。
■ 5. 通知を受け取ったら何をすればいい？最初の3ステップ
STEP1｜通知書の内容を落ち着いて確認する
通知には「今すぐ登記をしなさい」という強制力はありません。
まずは対象の土地がどこにあるのかを確認しましょう。
STEP2｜法定相続人情報を確認する
誰が相続人なのかを法務局が調査した資料
「法定相続人情報」
を閲覧できます。
相続人が確定しないと話が進まないため、
これが最初の重要ステップです。
STEP3｜相続登記の方針を決める
以下のいずれにするか、相続人で話し合います。
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誰か一人の名義にする（遺産分割協議）
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法定相続分で共有にする
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売却して換金する
※ 法定相続分での共有は将来トラブルになりやすく注意が必要です。
相続が長く放置されていたほど複雑になりますので、
早めの専門家相談がおすすめです。
■ 6. まとめ｜通知は“放置せず、まず相談”が最善策
「長期間相続登記がされていません」という通知は、
全国的に相続登記が義務化された流れの中で送付されているものです。
放置すると、相続人が増えて手続きが困難になり、
将来の売却・活用ができなくなる可能性もあります。
姫路市・揖保郡太子町・たつの市周辺で通知が届いた方は、
まず一度専門家にご相談ください。
早めの行動が、
“将来の大きな負担を防ぐ”最善の方法です。
