【相談事例】昔、親戚同士で口約束で土地を交換したまま、名義変更(登記)をしていない土地に実家が建っています。
お住まい:兵庫県姫路市青山
状況:
先日、父が亡くなりました。実家の土地と建物を私が相続するため、法務局で登記簿謄本を取得したところ、建物の名義は父でしたが、土地の名義が「父の兄(私の伯父)」のままになっていました。
生前、父から「40年以上前に、お互いの土地を使いやすくするために兄貴と口約束で土地を交換した。だからここはうちの土地だ」と聞いていました。しかし、登記(名義変更)の手続きは面倒だったのか、一切していなかったようです。
伯父はすでに他界しており、伯父の子供たち(私から見たらいとこ)が相続人になっているはずです。この土地を、きちんとした私の名義に変更することはできるのでしょうか?
司法書士からの回答・解説
お父様のご逝去、心よりお悔やみ申し上げます。長年住み慣れた実家の土地が、実はご親戚の名義のままだったというケースは、ご親族間の結びつきが強かった時代には決して珍しくありません。
日本の法律(民法)では、書面を作らなくても「口約束(口頭の合意)」だけで土地の交換契約は成立します。したがって、お父様と伯父様の間での土地の交換自体は有効です。
しかし、名義変更(登記)をしていないと、「この土地は自分のものだ」と第三者に対して法的に主張することができません。
現在、登記簿上の所有者である伯父様が亡くなっているため、法的な表面上は、伯父様の相続人である「いとこ」の方々が土地の権利を引き継いでいる状態になっています。
このまま放置してしまうと、将来ご自身がお子様に実家を引き継ぐ際や、実家を売却・解体しようとした際に手続きができず、大きなトラブルになってしまいます。今の世代のうちに、名義を実態に合わせておくことが非常に重要です。
具体的な解決策・手続きのステップ
名義を正しくご相談者様のものに変更するためには、伯父様の相続人(いとこ等)の協力が必要不可欠です。具体的には次のように進めます。
- 伯父様の相続人の調査・確定
まずは戸籍を収集し、現在の法律上の権利者が誰なのか(いとこ達だけなのか、他にもいるのか)を正確に調べます。 - 関係者への事情説明と合意(書類への署名・捺印)
伯父様の相続人の方々に、昔の交換の事実を認めてもらい、名義をお父様(またはご相談者様)に移すための書類(登記原因証明情報など)に実印を押していただきます。 - 【協力が得られない場合】「取得時効(しゅとくじこう)」の主張
もし、いとこの方々が昔の口約束を知らず「名義が父(伯父)なのだから私たちの土地だ」と協力を拒んだ場合でも、諦める必要はありません。お父様が「自分の土地だ」と信じて40年以上も平穏に住み続けていたのであれば、法律上「取得時効(長期間占有したことで所有権を取得する制度)」が成立している可能性が極めて高いです。この時効を理由に名義変更を求めることができます。
※当事者間で争いになってしまった場合は、司法書士の職務範囲を超えるため、信頼できる弁護士と連携して対応する場合があります。
何十年も放置された未登記の土地は、時間が経てば経つほど相続人が増え、手続きが雪だるま式に困難になっていきます。
当事務所では、複雑な戸籍の収集から、ご親戚に提示する法的な書類の作成、法務局への登記申請まで、長年の未登記問題を解決するためのサポートを行っております。古い権利証や固定資産税の通知書など、お手元にある資料をお持ちの上、ぜひ当事務所にご相談ください。

