【相談事例】相続人の一人が行方不明。実家の相続登記はどうすればいい?
ご相談者の状況
- お住まいの地域:たつの市揖保町
- ご相談者:50代・長男
- 亡くなった方:父親
- 相談内容:父が亡くなり、実家の相続登記(名義変更)をしようとしています。しかし、弟が10年以上前から音信不通で、現在どこで何をしているのか、そもそも生きているのかすら分かりません。弟の同意がなくても、私名義で相続登記を進めることはできますか?
司法書士からの回答:行方不明でも無視して手続きはできません
お父様のご逝去、心よりお悔やみ申し上げます。長年連絡の取れないご兄弟がいらっしゃると、手続きが進められるのかご不安ですよね。
結論から申し上げますと、行方不明の弟さんを無視して、お兄様単独名義に相続登記することはできません。
遺産分割(誰がどの財産を引き継ぐかの話し合い)は、相続人全員で行う必要があります。一人でも欠けた状態で行った遺産分割は無効になってしまいます。そのため、まずは弟さんが現在どこにいるのかを探すことから始める必要があります。
具体的な解決方法・手続きのステップ
このようなケースでは、以下の手順で手続きを進めていきます。
- 戸籍の附票を取得し、現在の住民票上の住所を調査する
本籍地の役所で「戸籍の附票」という書類を取得します。これには今までの住所の履歴が記載されているため、現在住民登録されている住所が判明する可能性があります。住所が分かれば、手紙を送るなどして連絡を試みます。 - (住所が判明しても連絡が取れない場合)不在者財産管理人の選任申立て
住民票の住所に手紙を送っても返事がない、あるいは実際にそこには住んでいない(行方不明)場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらいます。これは、行方不明の弟さんに代わって財産を管理する人(弁護士や司法書士などが選ばれます)です。 - 不在者財産管理人を交えて遺産分割協議を行う
選任された不在者財産管理人が、弟さんの代わりに遺産分割協議に参加します。ただし、管理人は弟さんの利益を守る立場にあるため、お兄様がすべてを相続する内容にするには、家庭裁判所の許可と、弟さんの法定相続分に相当する金銭(代償金)の支払いが必要になるのが一般的です。
※生死不明が長期間(7年以上)続いている場合
「失踪宣告(しっそうせんこく)」という手続きをとることも考えられます。これは、法律上「死亡したもの」とみなす手続きです。この場合、弟さんの子ども(お父様から見れば孫)がいればその子が代襲相続人となります。
まとめ:専門的な手続きが必要になるため、まずはご相談を
相続人の中に行方不明の方がいる場合、通常の相続登記よりも手続きが非常に複雑になり、家庭裁判所での手続きも必要となってきます。戸籍による調査や、裁判所への申立て書類の作成など、ご自身で行うには時間も手間も大きくかかります。
当事務所では、戸籍の調査による住所特定から、家庭裁判所への不在者財産管理人選任申立てのサポート、そして相続登記まで一貫して対応することが可能です。お一人で悩まず、まずは当事務所にご相談ください。状況をお伺いし、最適な道筋をご案内いたします。

