【相談事例】妹が失踪宣告を受けているのですが、今回父が亡くなり相続が発生しました。手続きはどうなりますか?
お住まい:兵庫県姫路市飾磨区
状況:
先日、父が亡くなりました。母はすでに他界しているため、本来であれば子どもである私と妹の2人が相続人になります。
しかし、妹は15年以上前から行方不明で全く連絡が取れず、数年前に家庭裁判所で「失踪宣告(しっそうせんこく)」の手続きを行いました。妹の戸籍には失踪宣告を受けたことが記載されています。
このように、相続人の一人がすでに失踪宣告を受けている場合、父の遺産(実家の土地や預貯金)の相続手続きは私一人で進めてよいのでしょうか?それとも何か特別な手続きが必要ですか?
司法書士からの回答・解説
お父様のご不幸、心よりお悔やみ申し上げます。長年行方不明の妹様がいらっしゃり、ご心労も多かったことと推察いたします。
家庭裁判所で「失踪宣告」を受けると、その方は法律上「死亡したものとみなされる」ことになります。そのため、行方不明の妹様を探し出して遺産分割の話し合いをする必要や、妹様のために「不在者財産管理人」を立てる必要はありません。
失踪宣告がされているケースの相続手続きで最も重要なのは、「お父様が亡くなった日」と「妹様が死亡したとみなされた日」のどちらが先か、という点です。
戸籍謄本や失踪宣告の審判書に記載されている日付によって、誰が相続人になるのか(誰と手続きを進めるのか)が大きく2つのパターンに分かれます。
パターン1:妹様が「先」に死亡したとみなされている場合
お父様が亡くなるより前に、妹様が死亡したことになっているケースです。
この場合、もし妹様にお子様(お父様から見てお孫さん)がいらっしゃれば、そのお子様が妹様に代わって相続人となります(代襲相続といいます)。その場合は、ご相談者様と妹様のお子様とで遺産の分け方を話し合うことになります。
もし妹様にお子様がいらっしゃらない場合は、ご相談者様が単独でお父様の全財産を相続することになります。
パターン2:お父様が「先」に亡くなっている場合
お父様が亡くなった時点では、妹様はまだ法律上「生きていた」ことになっているケースです。
この場合、お父様の遺産をいったんご相談者様と妹様で相続し、その後妹様が亡くなったことで、妹様の権利を「妹様の相続人」が引き継ぐことになります(数次相続といいます)。妹様に配偶者やお子様がいれば、その方々が相続手続きの当事者となります。
普通失踪(一般的な行方不明)の場合、最後に連絡が取れた日などから「7年間が経過した日」に死亡したものとみなされます。裁判所で宣告の手続きをした日ではないため、戸籍を正確に読み解いて日付を確認することが非常に重要です。
失踪宣告が絡む相続手続きは、戸籍謄本の収集や「誰が本当の相続人なのか」の確定が非常に複雑になるケースが多々あります。戸籍の読み間違いにより、後から手続きがやり直しになってしまうリスクもあります。
複雑な相続関係の調査や、それに伴う法務局への不動産の名義変更(相続登記)は、専門家である司法書士にお任せください。
まずは戸籍等を確認させていただき、正しい手続きの流れをご案内いたしますので、ぜひ当事務所にご相談ください。

