【相談事例】本来相続人になるはずだった子どもが先に亡くなっている場合の相続について

【相談事例】本来相続人になるはずだった子どもが先に亡くなっている場合の相続について
地域:たつの市御津町にお住まいの方からのご相談
先日、たつの市御津町に住んでいた父が亡くなりました。母はすでに数年前に他界しています。父の財産は、現在誰も住んでいない実家の土地と建物、そして少しの預貯金です。
本来であれば、長男である兄と、次男である私の2人が相続人になるはずでした。しかし、兄は3年前に病気で父よりも先に亡くなっています。兄には奥さんと、現在20歳になる子ども(父から見れば孫)が1人います。
この場合、実家の不動産の名義変更(相続登記)などの手続きは、誰とどのように進めればよいのでしょうか?兄の奥さんにも財産を分ける権利があるのでしょうか?
司法書士からの回答・解説
結論から申し上げますと、亡くなったお兄様に代わって、お兄様のお子様(お父様から見たお孫さん)が相続人になります。 法律上、これを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」と呼びます。
一方、お兄様の奥様には、お父様の財産を相続する権利はありません。
したがって、今回のケースで実家の名義変更などのお手続きを進めるための相続人は、「次男であるご相談者様」と「亡き長男のお子様(お孫さん)」の2名ということになります。
本来、親が亡くなった場合の財産は子どもが引き継ぎますが、今回のように「親(被相続人)よりも先に子どもが亡くなっている」というケースも少なくありません。このように本来の相続人がすでに他界している場合、亡くなった子どもの代わりに、そのお子様(お孫さん)が権利を引き継ぎます。
同様に、お父様のご兄弟姉妹が相続人になるケースで、その方がすでに亡くなっている場合は、甥っ子様や姪っ子様が代わりを引き継ぐことになります。誰が正当な相続人になるのかを確定するには、過去にさかのぼる複雑な戸籍の読み解きが不可欠です。
具体的な解決策・手続きのポイント
このような代襲相続が発生している場合、一般的な相続に比べて手続きが少し複雑になります。以下の点に注意して進める必要があります。
- お孫さんを含めた遺産分割協議が必要です
実家の土地建物を誰の名義にするか(例えば、ご相談者様の単独名義にするなど)を決める話し合い(遺産分割協議)には、お孫さんにも参加してもらい、納得のうえで協議書に実印を押していただく必要があります。 - 戸籍の収集が複雑になります
通常の相続では、亡くなったお父様の「生まれてから亡くなるまでの戸籍」や、相続人の現在の戸籍などが必要です。
しかし代襲相続の場合、それに加えて「先に亡くなったお兄様の、生まれてから亡くなるまでの戸籍」も法務局や金融機関に提出しなければなりません。本籍地が遠方であったり、転籍を繰り返していたりすると、戸籍を集めるだけでかなりの労力がかかります。 - お孫さんが未成年の場合の注意点
今回のケースではお孫さんは20歳(成人)とのことですので問題ありませんが、もしお孫さんが18歳未満の未成年であった場合、そのままでは遺産分割協議に参加できません。お孫さんの代わりに法定代理人(通常は親権者であるお兄様の奥様)が参加するか、状況によっては家庭裁判所で「特別代理人」を選任する手続きが必要になる場合があります。
代襲相続のケースでは、収集すべき戸籍の数が膨大になり、相続人の確定(戸籍調査)だけでも大変な労力がかかります。
さらに、関係性の薄い親族(甥・姪や孫など)が加わることで、遺産分割協議が難航するケースも少なくありません。
ご自身で進めるのが困難な相続人調査から、法的に有効な遺産分割協議書の作成、そして法務局での最終的な相続登記まで、専門知識が求められる複雑な手続きは当事務所が代行いたします。少しでもご不安があれば、お早めにご相談ください。


